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#労務#人事の法律#新卒採用

若者雇用促進法とユースエール認定|取得メリットと申請手順

2026.01.28

若者雇用促進法とユースエール認定|取得メリットと申請手順

少子化が進む中、「若者に選ばれる会社」になれるかどうかは、中小企業の採用戦略における死活問題です。大手企業と同じ求人媒体で正面から競うことが難しい中小企業にとって、**厚生労働大臣が認定する「ユースエール認定」**の取得は、採用力の差別化において有効なカードのひとつです。本記事では、若者雇用促進法の企業への義務から、ユースエール認定の取得プロセス・活用法まで実務目線で解説します。

若者雇用促進法の概要と企業への義務

若者雇用促進法(正式名称:青少年の雇用の促進等に関する法律、2015年10月施行)は、若者の安定した雇用の確保と職業能力の開発を目的として制定された法律です。企業に課される主な義務は以下の2点です。

職場情報の提供義務(第13条)

ハローワークや職業紹介事業者(エージェント)を通じて新卒者の求人を申し込む際、求人企業は応募者・就職希望者から求めがあった場合に、以下の3類型から各1つ以上の情報提供が義務付けられています。

| 類型 | 提供情報の例 | |------|------------| | 労働時間等 | 平均残業時間、有給取得率、育休取得実績 | | キャリア形成 | 研修制度、自己啓発支援、メンター制度 | | 職場環境等 | 離職率、平均勤続年数、管理職に占める女性割合 |

求められた場合の「提供義務」であるため、積極的に開示する義務ではありませんが、情報開示に積極的な企業のほうが応募者の信頼を得やすいというのが実態です。

固定残業代の明示

新卒の求人広告等で固定残業代を設定している場合、基本給と固定残業代を分けて明示する義務があります(職業安定法施行規則改正・2018年施行)。「基本給20万円(固定残業代30時間分・3万円含む)」のような記載が求められます。

ユースエール認定制度とは — 認定基準と申請要件

ユースエール認定は、若者の採用・育成に積極的で雇用管理が優良な中小企業(常時300人以下)を厚生労働大臣が認定する制度です。

主な認定基準(2026年3月時点):

| 基準項目 | 要件 | |---------|------| | 若者の採用・離職 | 直近3事業年度の新卒3年以内離職率が20%以下 | | 労働時間 | 直近3事業年度の月平均所定外労働時間が20時間以内 | | 有給取得 | 直近3事業年度の有給取得率が70%以上、または年10日以上 | | 育休取得 | 直近3事業年度の育休取得率が75%以上(または男性5%以上) | | 法令遵守 | 労基法・育介法等の違反がない | | 情報公表 | 職場情報(2類型以上)を自社HPや就職情報サイトで公表 |

※認定基準は変更される場合があります。最新要件は厚生労働省の公式サイトでご確認ください。

認定期間は3年間で、更新申請が必要です。

認定を取得する5つのメリット

①ハローワークでの重点PR・求人票への認定マーク表示: 若者向け求人検索画面での優先表示と担当者による重点PRが行われます。②認定マークの採用ツール使用: 求人広告・会社案内・Webサイトに使用でき、「国が認めた若者に良い職場」を低コストで発信できます。③日本政策金融公庫の低利融資: 特別利率が適用される場合があります。④公共調達での加点評価: 国・地方公共団体の入札で加点が行われる場合があります。⑤採用広報での差別化: 公的な裏付けが若者の「ブラック企業不安」を解消する客観的な証明として機能します。

申請から認定までの手順

  1. 自社の現状確認: 認定基準(離職率・残業時間・有給取得率・育休取得率)のデータを直近3事業年度分集計します
  2. 厚生労働省の申請チェックシートで要件確認: 厚生労働省のWebサイトから最新のチェックシートをダウンロードし、全要件を確認します
  3. 都道府県労働局へ申請書類の提出: 申請書・添付書類(就業規則・労使協定・各種データの証明書類等)を準備して管轄の都道府県労働局へ提出します
  4. 審査・認定: 審査期間は概ね2〜3ヶ月程度が目安です(込み具合により異なります)
  5. 認定マークの活用開始: 認定通知を受けたら採用ツール・Webサイトへのマーク掲載を開始します

認定取得に向けた職場環境整備の実践策

認定基準を満たしていない企業は、以下の施策から優先度の高いものに取り組みます。

離職率20%以下: RJP(リアルジョブプレビュー)の導入と入社後90日のオンボーディング計画が有効です。残業20時間以内: 業務棚卸しとノー残業デーの仕組み化が鍵です。有給取得率70%以上: 計画年休制度と管理職の取得率可視化が基本施策です。

適性検査との活用ヒント

ユースエール認定の申請要件(離職率20%以下・残業20時間以内など)を達成・維持するには、制度整備と並行して「定着しやすい人材の採用」が重要です。適性検査はその判断材料になります。

**採用時に「組織文化との適合性」が高い人材を選ぶことで、離職率20%以下の要件を達成しやすくなります。**特に職場の価値観・働き方との一致度(パーソナリティの適合性)は、入社後の早期離職リスクの予測に有効です。

外向性・開放性が高い若手社員は、成長機会やチームとの交流を重視する傾向があります。ユースエール水準の職場環境(適切な労働時間・休暇取得・育休制度)は、こうした特性を持つ若手のエンゲージメント向上に直結し、採用ブランドとしての訴求力を高めます。

まとめ

  • 若者雇用促進法(2015年施行)により、ハローワーク経由の新卒採用時には応募者の求めに応じた職場情報の提供が義務化されています
  • ユースエール認定は常時300人以下の中小企業を対象に、離職率・残業時間・有給取得率・育休取得率等の基準を満たす企業を厚生労働大臣が認定する制度です
  • 認定を取得すると、ハローワークでの重点PR・認定マーク使用・日本政策金融公庫の低利融資・公共調達の加点評価の5つのメリットがあります
  • 認定基準の多くは「良い職場環境の整備」そのものであり、認定取得を目標にした職場改善が採用力と定着率の両方を高めます
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