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#労務#社会保険#労務管理

社会保険適用拡大|2024年改正対応と企業の実務ポイント

2025.11.21

社会保険適用拡大|2024年改正対応と企業の実務ポイント

2024年10月の適用拡大:何が変わったか

2024年10月1日、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用対象が「常時51人以上の従業員を使用する企業」に拡大されました。これにより、従来は「101人以上」の企業に適用されていたパートタイム・アルバイト労働者への加入義務が、より小規模な企業にも及ぶことになりました。

適用拡大の流れ:

| 施行時期 | 適用企業規模 | |--------|-----------| | 2016年10月 | 501人以上 | | 2022年10月 | 101人以上 | | 2024年10月 | 51人以上 |

次の拡大時期は現時点で未定ですが、最終的には全企業への適用が想定されているため、50人以下の企業も準備を進めておくことが推奨されます。

加入対象の要件と実務手続き

以下のすべての条件を満たす短時間労働者が、社会保険の被保険者となります。

  1. 週所定労働時間が20時間以上
  2. 月額賃金が8.8万円以上(年収換算で約106万円以上)
  3. 学生でない(昼間学生は適用除外)
  4. 2ヶ月を超える雇用が見込まれる

なお、従来から適用されている「週30時間以上」の基準(正規と同等の労働時間)は引き続き適用されます。

企業が行うべき実務手続き

ステップ1:対象者の把握

既存のパートタイマー・アルバイトの中から、上記4要件を満たす従業員をリストアップします。特に「月額賃金8.8万円前後」の従業員は、残業・変動給により基準を超えることがあるため、毎月の給与計算時に確認する仕組みが必要です。

ステップ2:本人への説明と同意確認

社会保険加入は法的義務であり、本人の同意は不要ですが、「保険料の自己負担分が発生すること」「手取り額が減る可能性があること」を事前に説明しておくことが、トラブル防止につながります。

加入によるメリット(将来の厚生年金受給額の増加・傷病手当金・出産手当金が受けられる)も合わせて説明することで、従業員の理解を得やすくなります。

ステップ3:加入手続き

日本年金機構への「被保険者資格取得届」を提出します。資格取得日から5日以内の提出が原則です。同時に健康保険組合への手続きも必要な場合は、各組合のルールに従います。

企業のコスト影響と対応策

社会保険適用拡大の最大の懸念は、企業側の保険料負担増加です。

コスト計算の例:

月額賃金8.8万円の短時間労働者1名が新たに加入した場合、企業の社会保険料負担(健康保険+厚生年金)の概算は月あたり約1.5〜1.6万円程度(賃金水準や保険料率により変動)。10名が新たに加入すると、年間で約180〜192万円の追加コストになります。

よくある誤った対応:

  • 「適用を避けるために労働時間を週19.5時間に抑える」という指示をパートに出す
  • 「月額賃金が8.8万円を超えないよう調整する」

これらは、すでに20時間前後で働いている従業員の就労機会を奪い、離職の原因になります。また、「調整」を目的とした意図的な労働時間短縮は、不当な扱いとして問題になる可能性があります。

合理的な対応策:

  • 既存の短時間労働者を週30時間以上に移行させ、基幹人材化する
  • 社会保険加入に伴う手取り減少分を賃金改定で補填し、定着率を維持する
  • 短時間労働者のシフト管理を見直し、業務効率化でコスト増を吸収する

従業員51人のカウント方法

「51人以上」の判断における従業員数のカウントには注意が必要です。

  • カウントする: 週30時間以上の正社員・フルタイムのパート・フルタイムの契約社員
  • カウントしない: 週30時間未満の短時間労働者(今回の適用拡大対象者そのものはカウントしない)

「直近12ヶ月のうち6ヶ月以上51人以上であった場合」が判定基準です。繁閑の差が大きい業種では、毎月の従業員数を追跡し、基準月数に達した場合に対応する仕組みが必要です。

人材戦略との接続

社会保険適用拡大は、単なるコスト増の問題ではなく、「短時間労働者の雇用戦略を見直す機会」でもあります。適性検査を活用して短時間労働者の特性を把握し、能力・特性に合わせてパートタイムから正規雇用・限定正社員への移行を促すことで、人材のロスなく企業の競争力を維持することができます。

まとめ

  • 2024年10月から51人以上の企業に社会保険の適用が拡大
  • 加入要件は「週20時間以上・月額賃金8.8万円以上・非学生・2ヶ月超の雇用見込み」の全充足
  • 対象者の把握→本人説明→資格取得届提出(5日以内)のフローを整備する
  • 「適用回避のための労働時間圧縮」は離職リスクを高める誤った対応
  • コスト増を「短時間労働者の基幹人材化」の機会として活用する発想が中長期的に有効
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